あるお掃除屋のつぶやき

四国のお掃除屋を営む経営者が日々の気になるニュースやお役立ち情報などをつぶやきます。

生活保護をもらいながらパチンコはOK?

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大分県の別府市と中津市で、生活保護受給者がパチンコに行っていたとして、生活保護の支給を一部停止していたところ、国と県の指摘を受けて撤回していたことが報道されました。

また、別の報道では、インターネットを使った自営業を行い収入があるにもかかわらず生活保護をもらっていた人もいたそうです。(この事例では、車で複数の立ち寄り場所に出入りし、そこでは駐車場まで借りていた李、マンションに女性が住んでいたりとお金がなさそうには見えませんでした)

実際、一生懸命努力していても、どうしても生活に困っていて仕方なく生活保護をもらっている人もいる中、その支給されたお金をパチンコのようなギャンブルに使われたり、もらう必要がなくなってもネコババする人もいたり。

前回の記事で生活保護について書いてみましたが、生活保護をもらってパチンコはOKなのでしょうか。。。

法治国家としてのジレンマ

生活保護制度は生活保護法に基づいてつくられています。

インターネット等で生活するのに十分な収入があるにもかかわらず、生活保護を受けていた件は明らかに違反です。自動車の保有も資産になりますので、売却しなければなりません(先の例では、説明責任が果たされなかったので支給停止になっていました)

では、パチンコはOKなのでしょうか。

国や県の見解からは、OKということなのでしょう。

けれどOKかということに、ふつうの感情としては納得がいきません。でも、日本は法治国家。制度を支える法律に準拠していれば、OKとせざるを得ないのです。

黒い話をすると、パチンコの収益源として生活保護受給者というのは美味しい方々なのでしょう。ひょっとしたら圧力がかかったのかもしれません。

報道の事例はいけなかったのか

報道を見る限り、別府市と中津市での事例では、確かに国と県の言い分も一理あるなと思いました。

 別府市は25年以上前から生活保護費がパチンコなどに使われることを問題視し、市職員が年1回、市内のパチンコ店と市営競輪場を巡回し、受給者を発見した場合は文書で立ち入らないよう指導。従わない場合には生活保護法を根拠として、支給(医療扶助を除く)を停止してきた。近年では平成26年度に6人、今年度は9人が1~2カ月間停止されている。  同市は、受給者に支給を開始する際、パチンコ店などに立ち入らないとする誓約書の提出を求めている。生活保護法は、受給者が支出の節約などの義務に違反したときは支給を停止できると定めており、同市は「誓約書の順守は義務であり、違反と判断した」と説明している。

報道の全文は引用元の記事をご確認いただくとして、パチンコや競輪などを禁止する旨を法律にうたっていないのに誓約書に禁止をすることや、年1回と巡回する回数が少ないこともあるのでしょう。

誓約書はパチンコ等禁止の独自ルールが適法かどうかという議論ですし、巡回の回数が少ないことは、すべての対象者をカバーできないという公平性の観点から問題がありそうです。

とはいえ、ぶっちゃけ僕も心情的には、就労ではなく娯楽であるはずのパチンコや競輪に生活保護を使われるのは、「誰の税金から生活できてると思ってんだ!」っと言いたくなりますね。

ではどうすればよいのでしょう。

パチンコ常習者への方策

前回の記事で書いた受給者の権利の中に、

  • 生活保護の要件を満たす限り、誰でも無差別平等に受けるができます。
  • 正当な理由がなければ、既に決定された保護を不利益に変更されることはありません。
  • 既に給付を受けた保護費又は保護費を受ける権利を差し押さえられることがありません。

というのがあります。

これは非常に強力な権利です。

この権利によって、法的根拠を強く言われたら反論できないとして国や県も指導を行ったのだと思います。

では、生活保護をもらいながらパチンコにいく受給者に対してとる方策はないのでしょうか?

僕は、生活保護受給者でありながらパチンコや競輪を繰り返し行う人に対して、「ギャンブル依存症(ギャンブル障害、病的賭博、病的ギャンブリング )」の診断を行い、精神疾患として診断結果を出してあげることだと思います。

生活保護制度は憲法第25条に基づいていることもあり、健康についても記載されています。

支給を停止せずに、専門医療機関への通院を指導すれば、本人も無料(医療扶助)で受診できます。ギャンブル依存症が解消されれば、本人も前向きに生きることもできるかも知れません。

生活保護を受給する方は、人生後ろ向きな方も多いと思います。

そんな中で、違反者を罰するのではなく、助ける方向に進んでいければいいなと思います。