モスバーガーが、18年ぶりに社長を交代するようですね。(正式には6月に行われる株主総会後)
僕自身、若いころはハンバーガーというとマクドナルドだったのですが、今現在はモスバーガーの利用回数が増えています。オーダーから提供までの時間と、商品自体の品質・単価が全然違うので、ファーストフード店のマクドナルドと比べてはいけないのですが、美味しいものは美味しいです。
特にてりやきチキンバーガーがお気に入りです(^^♪
時間がないときはモスバーガーの提供時間の長さ(といってもさほどではありません)がネックではあります。でも、その場合、不祥事があったからではありませんが、マクドナルドではなく松屋や吉野家をチョイスするようになっていますね。(てりやきマックバーガーは好きです)
今回は、社長の交代を機にモスバーガーの今後の展開を考えてみました。
現社長の桜田厚氏
モスバーガーは、現在、創業者の桜田慧氏の甥にあたる桜田厚氏が会長と兼務で務めています。
桜田厚社長は、創業期に叔父で創業者の桜田慧氏の誘いを受け、立ち上げを経験し、その後1977年にモスフードサービスに入社しました。98年に社長に就任以来、18年間もの長い間、経営の最前線で活躍をつづけました。
マクドナルドの進める合理的なマニュアル管理を相手に、創業者の思いを受け継いで、日本的な真心と笑顔のサービスを軸にフランチャイズ展開で勝負。その結果、フランチャイズ加盟者が増え、現在、モスバーガーはマクドナルドに続いて日本第2位のシェアを誇ります。
特に近年は海外展開も活発に行ってきました。
現在、アジアを中心に8つの国と地域(台湾・タイ・香港・中国・シンガポール・オーストラリア・インドネシア・韓国)に店舗展開していますが、桜田厚社長の活躍によるものだと思います。
次期社長候補の中村栄輔氏
グローバルな視点を持ち、創業家系としての企業理念を保ちながらも企業規模を拡大していった桜田厚社長に対し、次期社長候補の中村栄輔氏(現常務)は、フランチャイズのオーナー育成など内政面で活躍されているそうです。
現在57歳とまだ若く、精力的に全国を飛び回ることもできそうですね。
マクドナルドや他のファーストフード店に対して、価格やスピードといった武器がないモスバーガーにとっては、地方にあっても現場内での商品の品質管理やマニュアルにない細やかなサービスが保たれないと生き残っていけません。
その意味で、国内の基盤固めとしては、経営者が内政面に秀でている中村栄輔氏のような方が適任なのでしょう。
では、この人事でモスバーガーが見据える今後の展開はどうなるのでしょうか。
次の展開は海外への拡大か?
社長交代の狙いとしては、「経営判断のスピードアップ」と言われています。
経営判断のスピードアップとは、中村栄輔社長が日本国内の基盤をがっちり守り、桜田厚会長が海外展開に力を注ぐといった役割分担を明確にしたことで図るということでしょう。
ということは、ある程度飽和状態にあるといってもいい国内の拡大よりも、平均年齢が若く人口増加傾向にある国や地域で拡大するほうが成長余地があるとみて、中国や東南アジアへの海外進出をさらに推し進めるのではないかと思います。
ただ、言葉や文化の違う海外では、いわゆる日本的なフランチャイズの仕組みで拡大するためにはきめ細やかな店舗管理に加え、その国の文化に配慮しながらもモスバーガーの理念を体現する店舗へと導かなければなりません。
その場合、組織のトップに近い人間(桜田厚氏)が、国の高官を含めて開発交渉を行い、現場のチェックも行うなど海外に留まることが多いとしたら、トップ不在の国内の基盤が危うい。だからこその内政面に秀でた中村栄輔氏の社長就任ではないでしょうか。
いずれにしても、今後もモスバーガーの日本的なブランド力がどれだけアジア圏の人たちに受けるのか注目ですね。